「では、桜乃くんは私と設定の認識合わせをしておこうか」
「はい」
モヒートをもう一口飲んで、公央(きみちか)は頷いた。
「今回の上司と部下の設定は、これにも記載のとおり、もともと恋人未満の微妙な関係だ。
もちろんこの部分は、作品とともに掲載される文章で少し書かれるだけで、
実際に撮影するストーリーの内容には含まれない。
ただ、ごく普通の部下ではなく、そういった設定のある部下をきみに演じてもらいたい」
「はい」
「ここはあくまで前提≠ニなる部分だが、
部下のきみは上司である私・・・部長のことがとても好きで、
過去には思い切って告白をし、身体の関係もすでに数回持っているという設定だ。
だが、部長からはまだはっきりとした態度や言葉では返事をもらえていない」
ふむ、なるほど。
狼煙はいつもの甘い声で作品と登場人物の設定を丁寧に説明している。
右手の人差し指と中指で黒い軸の万年筆を挟むようにして持ち、
それを右に左にと動かしながら、
自分のために書き下ろした内容を語る狼煙と、それを真剣に聞く公央。
たしかにこのレーベルの特徴として、作品の解説ストーリーがとても丁寧なことが挙げられる。
活字に興味がなければそれを読まなくても映像だけで十分に楽しめるが、
作品を見たあとは結局気になってそれも全て読んでしまう。
そして、物語を細部に至るまで楽しみ尽くしたくなり、
新たな視点でもう一度、小さな伏線を発見しさらにもう一度、と、
ひとつの作品が何度も新鮮にそしてディープに味わえるという仕組みになっていた。
本来は、その解説ストーリーも込みで一つの作品となっているからだ。
今から考えると、それも狼煙のこだわりの一つだったのだということがよくわかる。
「少しモヤモヤしつつも、私を信じていたきみだが、ある日 社内で嫌な噂を耳にしてしまう」
「噂ですか?」
「そう。 休日に、私が可愛い後輩と仲良く街を歩いていたというね」
「え・・・」
「どう思った?」
「そ、それは・・・ショックです」
「ふふ、いいね、その感想。 だがこの部分もまだ前提≠セ。 作品には直接出てこない。
きみは、悲しくて悔しくて、私に怒りを感じ、そして後輩に嫉妬する」
「でしょうね」
誰だってきっとそうなるだろう。
ただでさえ微妙な関係だったというのに、そんな噂を耳にすれば嫉妬に怒り狂うだろう。
「そしてきみは私に裏切られたと傷付き、突拍子もない行動に出る。
きみは美人でモテるから、
以前からライバル会社の営業部長に引き抜きの件を持ち掛けられていたんだ。
下心が見え見えだったから断り続けていたが、
今回、自棄を起こしたきみは偶然バーで会ったライバル会社の営業部長に誘われ、寝てしまう」
「・・・」
やけに詳細に作り込まれた設定だが、
すでに自分のこととして聞いていた公央は少し複雑な気分になった。
気持ちはわからくもない、いや、とてもよくわかる。
その恋の相手が狼煙だというのだから、そんな自棄を起こしてしまうのは無理もない。
というか、もし自分だったなら、実際にやってしまいそうだ。
「そして、ここからが今回撮影する物語だ」
「はい」
「きみはそのことをネタにライバル会社の部長に脅され、
証拠動画をばらまかれたくなければ、引き抜きの話を受け入れ自分の部下になるよう強要される。
この部分は、受電という形で表現する。
きみはここの台詞を、脅されているとわかるよう少し怯えた調子で受け答えし、
私は、それを陰で聞いていて、電話を切ったあとのきみを呼び出す」
「はい・・・」
返事をしながら、無意識にゴクリと唾を飲んだ。
そこまで聞いただけで、心臓がどきどきしてきてしまう。
怒られるのだろうか、見放されるのだろうか、次のページをめくるのがこわい。
今、もうすでに無意識に小さく震えている指先に、自分で少し驚いた。
「・・・ふむ、そうだな、せっかくだからこの先はあえて伏せたまま撮影に入ってみようか」
「ええっ? だって、この台本は・・・」
「一応この先も考えたが、きみは想像以上に感受性が高いようだから、
続きは知らないほうがいい反応をしそうな気がしてきた・・・うん、そうしよう」
「え、待ってください。 台詞はアドリブでなんとかするとしても、流れと最後くらいはせめて・・・」
さくさくと勝手に決めてしまった狼煙に、さすがに慌てた表情で公央は困惑気味に訴える。
しかし、すんでのところで先ほど手渡されたシナリオの紙を取り上げられてしまった。
**********
いや〜良いお天気ですね、こんにちは ザクロです。
午前中に川沿いをウォーキングしてきたんですが、家出た瞬間からもうめちゃくちゃ暑かったです。汗
それはそうと、あはは、新作は全然書けてないです!って、もう先に言っちゃうw
なので今日も日常記録といいますかただの雑記ですよ。
さて、本日冒頭に貼り付けましたのは何となく久しぶりに読み返したくなったあのシリーズ・・・
そうステイホモとかいうふざけた名前をつけたシリーズの従兄弟編【独占】から、中盤の一コマでした。
本当にどれだけぶりに読み返したかな・・・私、この作品の攻め役 景章(かげあき)が本当に好きで。
でも読み返す率の高さでは、この作品からのスピンオフのさらにスピンオフ【サボテンの花】が多いかな。
景章の元後輩で、親友というか秘書というか側近というか・・・そういう立場の基村(きむら)も大好きなので。
いやでも今日久々に読み返すと、結構細かいところまでちゃんと作り込んでましたね、当時の私。
良作だと思います。 同シリーズの他三作があまりにもアレだってのもあるんですがw
世間はGWですね!
宣言通り、私は・・・会いに行っておりませんよw
今の会社はカレンダー通りのお休みだったので前半と後半に分かれていたんですが、
前半の最終日がたまたま主人もお休みになりましたので、日帰りで京都のほうに行ってました。
で、後半初日は両親と名古屋へ日帰りで。
どちらも、パンとスイーツを買ってくることがメインだったんですがww
御影:またぁ?
だって食いしん坊なんだもん、食は人生の楽しみだよ。
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2024年05月05日
■ 初夏ですねえ。
posted by ZAKURO at 00:00| Comment(0)
| ■ 雑記
2024年04月07日
■ 作り物でも笑顔は笑顔
「どうした?」
ん? と問いながら耳たぶを甘噛みされ、そこから全身に甘ったるい痺れが広がっていく。
「うぅ・・・あなたは、昔から意地が悪すぎるんですよ・・・っ」
「表面を取り繕い本性を隠して相手の懐に入るのは簡単だが、
これから長く付き合っていこうと思う相手にそんなことをしても意味がないだろう。
互いに本性を見せ合い本音で語らなければ本物の信頼関係など築けない」
とても穏やかな口調で話しながら、明成の愛撫はより抗いがたいものに変化していく。
じわじわと熱を持ち始める身体。
明成の手で弄ばれている部分はすでに大きく張り詰めている。
「あっ、あ、も、もうっ、本当に・・・っ」
「御影、私は仔鹿の可愛らしいおねだりが聞きたい」
ぐちゅぐちゅと音が聞こえてきそうなほど濡れてきた衣服の上からそこを少し強めに擦られて、
背筋がぶるりと粟立った。
「も、ほんと、勘弁してください・・・僕が、そういうキャラじゃないの、知ってるでしょう」
「それを言うのなら、きみも、私がこのようなシチュエーションで、
そうか、とあっさり引き下がる男でないことくらい、とっくに承知しているはずだろう」
余裕の口調で返されて、言葉を詰まらせる。
出会った当初から思っていたが、本当に憎たらしくてずるい切り返しをする人だ。
「さて、きみのここはいつまでもつかな」
今度はごく軽い力で下方を握り込まれて、特有の甘い痛みが全身を這う。
このような痛みすらも快感として感じてしまう身体にされ、絶対的な力関係を思い知らされる。
そんなところを掌握されてまえば、もはや抵抗などできるはずもない。
明成がよく使う表現の、まさに私の仔鹿¥態だ。
少なくとも今この瞬間の支配者は明成で、御影は完全に明成のものなのだ。
「は、うぅ・・・明成さん・・・っ」
「ほら、おねだりは?」
甘い声がゆっくりと御影の耳から脳に入り込んでくる。
いくら小さな抵抗を試みようと、最終的にこの声には決して逆らえない。
「・・・や、やめないで、ください・・・」
恥ずかしすぎて顔を直視できない。
だが、言わなければ明成はさらなる意地悪を仕掛けてくるに違いない。
ここまでされて放置されるのは地獄だろうし、
このまま刺激され続け、ぎりぎりの状態で延々と焦らされたら・・・と思うとそれも恐ろしすぎる。
しかし、どちらも明成ならばやりかねないと知っているため、御影は大人しく観念するしかない。
「ふふ・・・、いい子だ」
**********
本日はほんのちょっぴり濃厚なシーンを貼り付けてしまいましたw
こちらは【仔鹿はキッシュに翻弄される】の終盤、現在の明成さんと御影の絡みなんですが、
でもこの部分はこれでもまだまだ序盤だったりますww
この作品の明成さんは、初登場からまだそんなに経っていない頃というのもあって、
とっても明成さんらしい明成さんwなので現在の明成さんもすごく意地悪w
(あ、この作品には御影と明成さんの出会いが描かれているので、六年前の明成さんも登場します)
今でこそ明成さん自身の視点でのモノローグがあったり、様々な事件の中で見せる意外な一面があったり、
あとは・・・明成さんと同格かそれ以上かもしれない人物たちがのちに登場したことにより、
その人物たちに過去を語られたり、性格を分析されたり、
それから明成さん本人が現代さんにだけ本音を吐露するようなシーンもありましたね。
そんな感じで、ある程度 本当はどういう人物なのかということが徐々にわかってきましたが、
当時はまだまだミステリアスで何をどう考えているかまったくわからない謎怖キャラクターだったので、
これ、御影の戸惑いが最高に可愛いんですよねw
御影:しかも全然台本通りにやってくれないからあのときは僕、本気で泣きそうだったよね。
明成:ああ、今少し思い出しただけでも自然と顔が綻んでしまうな。
きみの恥ずかしそうな泣き顔はいつ見てもたまらない、心の奥底から私を興奮させてくれる。
現代:どうせ御影を困らせるために台本通りやらなかったんだろう。
明成:否定はしない。 ただ、台本通りにやらなかったのは基本的に絡みのシーンだけだ。
あの話は比較的しっかりとしたストーリーだったからな。
だがたしかに、御影の可愛い性格を最大限に引き出し、それが前面に出るようにと、
随所で台本にはない小さな意地悪をしかけたことは認める。
今読み返してもかなりしつこい引き出し方してましたよねww
⇒ ゆるーい続きはこちら
ん? と問いながら耳たぶを甘噛みされ、そこから全身に甘ったるい痺れが広がっていく。
「うぅ・・・あなたは、昔から意地が悪すぎるんですよ・・・っ」
「表面を取り繕い本性を隠して相手の懐に入るのは簡単だが、
これから長く付き合っていこうと思う相手にそんなことをしても意味がないだろう。
互いに本性を見せ合い本音で語らなければ本物の信頼関係など築けない」
とても穏やかな口調で話しながら、明成の愛撫はより抗いがたいものに変化していく。
じわじわと熱を持ち始める身体。
明成の手で弄ばれている部分はすでに大きく張り詰めている。
「あっ、あ、も、もうっ、本当に・・・っ」
「御影、私は仔鹿の可愛らしいおねだりが聞きたい」
ぐちゅぐちゅと音が聞こえてきそうなほど濡れてきた衣服の上からそこを少し強めに擦られて、
背筋がぶるりと粟立った。
「も、ほんと、勘弁してください・・・僕が、そういうキャラじゃないの、知ってるでしょう」
「それを言うのなら、きみも、私がこのようなシチュエーションで、
そうか、とあっさり引き下がる男でないことくらい、とっくに承知しているはずだろう」
余裕の口調で返されて、言葉を詰まらせる。
出会った当初から思っていたが、本当に憎たらしくてずるい切り返しをする人だ。
「さて、きみのここはいつまでもつかな」
今度はごく軽い力で下方を握り込まれて、特有の甘い痛みが全身を這う。
このような痛みすらも快感として感じてしまう身体にされ、絶対的な力関係を思い知らされる。
そんなところを掌握されてまえば、もはや抵抗などできるはずもない。
明成がよく使う表現の、まさに私の仔鹿¥態だ。
少なくとも今この瞬間の支配者は明成で、御影は完全に明成のものなのだ。
「は、うぅ・・・明成さん・・・っ」
「ほら、おねだりは?」
甘い声がゆっくりと御影の耳から脳に入り込んでくる。
いくら小さな抵抗を試みようと、最終的にこの声には決して逆らえない。
「・・・や、やめないで、ください・・・」
恥ずかしすぎて顔を直視できない。
だが、言わなければ明成はさらなる意地悪を仕掛けてくるに違いない。
ここまでされて放置されるのは地獄だろうし、
このまま刺激され続け、ぎりぎりの状態で延々と焦らされたら・・・と思うとそれも恐ろしすぎる。
しかし、どちらも明成ならばやりかねないと知っているため、御影は大人しく観念するしかない。
「ふふ・・・、いい子だ」
**********
本日はほんのちょっぴり濃厚なシーンを貼り付けてしまいましたw
こちらは【仔鹿はキッシュに翻弄される】の終盤、現在の明成さんと御影の絡みなんですが、
でもこの部分はこれでもまだまだ序盤だったりますww
この作品の明成さんは、初登場からまだそんなに経っていない頃というのもあって、
とっても明成さんらしい明成さんwなので現在の明成さんもすごく意地悪w
(あ、この作品には御影と明成さんの出会いが描かれているので、六年前の明成さんも登場します)
今でこそ明成さん自身の視点でのモノローグがあったり、様々な事件の中で見せる意外な一面があったり、
あとは・・・明成さんと同格かそれ以上かもしれない人物たちがのちに登場したことにより、
その人物たちに過去を語られたり、性格を分析されたり、
それから明成さん本人が現代さんにだけ本音を吐露するようなシーンもありましたね。
そんな感じで、ある程度 本当はどういう人物なのかということが徐々にわかってきましたが、
当時はまだまだミステリアスで何をどう考えているかまったくわからない謎怖キャラクターだったので、
これ、御影の戸惑いが最高に可愛いんですよねw
御影:しかも全然台本通りにやってくれないからあのときは僕、本気で泣きそうだったよね。
明成:ああ、今少し思い出しただけでも自然と顔が綻んでしまうな。
きみの恥ずかしそうな泣き顔はいつ見てもたまらない、心の奥底から私を興奮させてくれる。
現代:どうせ御影を困らせるために台本通りやらなかったんだろう。
明成:否定はしない。 ただ、台本通りにやらなかったのは基本的に絡みのシーンだけだ。
あの話は比較的しっかりとしたストーリーだったからな。
だがたしかに、御影の可愛い性格を最大限に引き出し、それが前面に出るようにと、
随所で台本にはない小さな意地悪をしかけたことは認める。
今読み返してもかなりしつこい引き出し方してましたよねww
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| ■ 雑記
2024年03月17日
■ 近況とまさかのオチw
「すごいな、やはりきみのセンスも独特で素晴らしい。
きみはどちらかというと、洗練されたシャープな印象のものが好きなんだな」
動きやすいラフな服装でやってきた近衛はどこか無邪気な瞳で倉庫の中を見渡している。
ほとんど全身ジャージのような格好なのに、それでも品のある紳士にしか見えないから憎たらしい。
所詮住む世界の違う人間だとはわかっているが、
同じ男として、どこかやっかみのような感情を抱いてしまうのは、
先日、智を取られたくないなら・・・などとおかしな脅し文句を言われたせいだろうか。
「一体何を調べたいのか知らないが、やることをやったらさっさと出て行ってくれ。
来週中にはこの倉庫をある程度片付けてしまいたい」
「うん? どういう意味だ?」
チークのデスクの蛇腹引き戸をそっと開けて中を覗きながら近衛が問う。
「短期間でやることが多くて忙しいという意味だ、金持ちの道楽に付き合ってる暇はない」
「・・・」
ふと顔を上げて、近衛がこちらを見る。
「智と何かあったか?」
「・・・」
「ははあ、あったな、その顔は」
「とっとと帰れ」
「茶篠、私を敵に回すのは賢くない」
「・・・」
おそらく言うとおりだろう。
しかし敵に回したところでもう脅威はない。
秋一郎はすでにここを長期で離れる計画をしている。
「やれやれ、まただんまりか・・・ではきみの表情と行動から、何があったか推理してみようか。
さては智と喧嘩中、もしくは喧嘩にまでは発展していないが、互いに気まずい状態だ。
そうだな、原因は・・・智だ。 智がきみに難儀な何かを仕掛けた。
問題はその難儀な何か≠セが、それはおそらく・・・」
「あーもういい、それ以上言うなっ。 大体あんたは何をしに来たんだ。
調べると言いながら、そのデスクに触っただけだ、終わったならもう帰ってくれ。
俺はプライベートを詮索されるのは大嫌いなんだ」
「だがきみたちの件については私も無関係ではないのでね。
きみが智の気持ちを受け入れないというのなら私が彼を飼うことになるがそれでいいのか」
「は? 飼う?」
「そう。 私が可愛がっているペットたちの仲間入りだ」
「あんた・・・、何を言ってるんだ? ペット、たちだと?」
「そう。 彼・・・智も、本当は私のペットになるはずだった。
初めて会ったときの彼は健気で可愛くて、すぐに餌付けしたよ。
本当はしばらく手元に置いて教育してやりたかったが・・・如何せんタイミングが悪くてね。
だから、・・・金をやった。
もちろん彼は断固として受け取ろうとはしなかったが、私は強引に押しつけた。
彼はただ生きるためにもがいていたのではなく、理想の自分を明確に持っていたから。
放っておいてもいつかはその未来を手に入れるだろうとは思っていたが、
無駄に時間を割く必要はない。
本来、彼は自分の夢のためにきちんと準備をしていたのだから、遠回りはさせたくなかった。
しかも当時の彼の稼ぎ方もあまり褒められた方法ではなかったからね」
「・・・」
たしかに出会った当初、智は早く稼ぎたいと言っていたが、あれはもしや・・・
近衛は口を動かしながら再び家具や雑貨を手に取り、何かを念入りに調べ始める。
今度は秋一郎の手が止まってしまう。
ようやく近衛と智の関係が少しずつわかってきた。
「先日、彼が耳を揃えて当時の金を返しにきた。
そのときの様子で、あぁ好きな男ができたなと直感した」
「・・・」
「茶篠。 一体何に怯えているんだ、きみは」
**********
どうもどうも、またしばらく空けてしまいましたザクロです。
本日の冒頭貼り付けは【ミスティックトパーズの黄昏】からのワンシーン。
個人経営のカフェオーナー兼北欧家具屋の茶篠(さしの)と明成さんがお話しているところです。
ふふふ、茶篠、もともと苦手な明成さんにわけわからないことを言われてさらに困惑させられてますねーw
はい、本日はですね、二つばかし報告があります。
報告と言っても近況というか、転職のその後どんな感じって内容と、
あともう一つは・・・二日ほど前に自分の中ではそこそこ大きな出来事?wがあったので、そのことと。
まずは転職後のお話と言いますか、近況?
これがね・・・あくまで入社後約二週間の現時点での話にはなるんですが、めっちゃくちゃ居心地がいいです・・・!
すっごく静かな職場なんですよ。
前職の終盤、去年の春すぎくらいから深刻な不眠がずっと続いていて、地味に日々苦しんでいたんですが、
辞めると決めてから少しずつ改善傾向にはあったんですよ。
有休消化中から今の職場で働き始める前も、夜中数回は薄く目が覚めるけどまだ眠れるようになっていて、
今はというと、夜眠りに就いたら目覚ましが鳴るまで起きないという理想的な睡眠を得られるように!!!!
頭や精神、身体が疲れてるとかじゃないんです。
むしろ、初日からずっと元気なんです、私。
緊張でハイになっているとかではなくて、心にも余裕があってすごく穏やかなんです。
新しい職場なので、たしかにまだ少し緊張することはあるんですが、でも疲れるような感じではなくて、
16時に仕事が終わったら16時15分にはもう家についてオフモードに切り替わっているんです。
時間に関しては、前職も16時までの時短にしてもらっていたので、以前も16時半過ぎには家にいたんですが、
なんかもう帰ってきたあとの気持ちが全然違うというか、
以前が何かと気忙しくて常に焦っていたような感じだったことに対して、落ち着いてて穏やかなんです。
むしろ、無意味にウキウキしてるくらい。 さぁて、夕飯の準備するぞぉ〜♪みたいなw
本当にもう初日の帰宅後からそんな感じだったので、
一体何が違うのかってことをですね、一週間たったくらいのときにじっくりと考えてみたんですが、
前職って、大袈裟じゃなく一日中電話がずっと鳴りっぱなしの会社だったんですよね。
それも1本ではなく、複数回線が同時に鳴ってて、事務所内では営業さんも各自電話してるし、
とにかくすごくうるさいのが普通だったというか日常だったというか・・・うん。汗
それに対して今の職場は、事務所の電話なんて1日1本鳴るか鳴らないかで、
あとは社長のスマホくらいなのでとっても静かなんですよ。
で、普段事務所内にいるメンバーの中では私がぶっちぎりで一番若いというのもあって、
ご年配たち、無駄なお喋りも一切しないので、事務所内の静寂が常に保たれているというか。
私、基本的にうるさい環境が苦手で無理なタイプなので、
前職のときも最初に配属された一階部署のアナログさと騒がしさ諸々に耐え切れず、
胃腸炎(と腱鞘炎w)起こして、二階の営業事務所に移してもらってまだマシになりましたが、
今と比較すると、あれでもまだ地獄級にうるさかったですね・・・。汗
そういうのもあって、きっと常時アドレナリンが出まくって脳が異常な興奮状態だったんだと思うんですよ。
もともと自家中毒のきらいがあったので、きっと帰宅後もなかなかオフモードに切り替えられなくなって、
眠れない日々が続いていたんじゃないかという自己診断をしています。
というわけで、普通に眠れる喜びと幸せを毎朝噛み締めてるわけなんですが、
主人に「ヤクルト1000とかいろいろ試してたけど、そういう問題じゃなかったね」と言われましたw
いや本当にそうでした。苦笑
睡眠の質改善と言われているものを本当に片っ端から試すくらいに追い詰められてたんですよね・・・。汗
歳なのかな・・・ぐっすり眠ることはもう諦めなきゃなんないのかな・・・なんて、本気で思っていたくらい。涙
まさか、またこんな熟睡できる日々に戻れるなんて夢にも思っていなかったです!
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きみはどちらかというと、洗練されたシャープな印象のものが好きなんだな」
動きやすいラフな服装でやってきた近衛はどこか無邪気な瞳で倉庫の中を見渡している。
ほとんど全身ジャージのような格好なのに、それでも品のある紳士にしか見えないから憎たらしい。
所詮住む世界の違う人間だとはわかっているが、
同じ男として、どこかやっかみのような感情を抱いてしまうのは、
先日、智を取られたくないなら・・・などとおかしな脅し文句を言われたせいだろうか。
「一体何を調べたいのか知らないが、やることをやったらさっさと出て行ってくれ。
来週中にはこの倉庫をある程度片付けてしまいたい」
「うん? どういう意味だ?」
チークのデスクの蛇腹引き戸をそっと開けて中を覗きながら近衛が問う。
「短期間でやることが多くて忙しいという意味だ、金持ちの道楽に付き合ってる暇はない」
「・・・」
ふと顔を上げて、近衛がこちらを見る。
「智と何かあったか?」
「・・・」
「ははあ、あったな、その顔は」
「とっとと帰れ」
「茶篠、私を敵に回すのは賢くない」
「・・・」
おそらく言うとおりだろう。
しかし敵に回したところでもう脅威はない。
秋一郎はすでにここを長期で離れる計画をしている。
「やれやれ、まただんまりか・・・ではきみの表情と行動から、何があったか推理してみようか。
さては智と喧嘩中、もしくは喧嘩にまでは発展していないが、互いに気まずい状態だ。
そうだな、原因は・・・智だ。 智がきみに難儀な何かを仕掛けた。
問題はその難儀な何か≠セが、それはおそらく・・・」
「あーもういい、それ以上言うなっ。 大体あんたは何をしに来たんだ。
調べると言いながら、そのデスクに触っただけだ、終わったならもう帰ってくれ。
俺はプライベートを詮索されるのは大嫌いなんだ」
「だがきみたちの件については私も無関係ではないのでね。
きみが智の気持ちを受け入れないというのなら私が彼を飼うことになるがそれでいいのか」
「は? 飼う?」
「そう。 私が可愛がっているペットたちの仲間入りだ」
「あんた・・・、何を言ってるんだ? ペット、たちだと?」
「そう。 彼・・・智も、本当は私のペットになるはずだった。
初めて会ったときの彼は健気で可愛くて、すぐに餌付けしたよ。
本当はしばらく手元に置いて教育してやりたかったが・・・如何せんタイミングが悪くてね。
だから、・・・金をやった。
もちろん彼は断固として受け取ろうとはしなかったが、私は強引に押しつけた。
彼はただ生きるためにもがいていたのではなく、理想の自分を明確に持っていたから。
放っておいてもいつかはその未来を手に入れるだろうとは思っていたが、
無駄に時間を割く必要はない。
本来、彼は自分の夢のためにきちんと準備をしていたのだから、遠回りはさせたくなかった。
しかも当時の彼の稼ぎ方もあまり褒められた方法ではなかったからね」
「・・・」
たしかに出会った当初、智は早く稼ぎたいと言っていたが、あれはもしや・・・
近衛は口を動かしながら再び家具や雑貨を手に取り、何かを念入りに調べ始める。
今度は秋一郎の手が止まってしまう。
ようやく近衛と智の関係が少しずつわかってきた。
「先日、彼が耳を揃えて当時の金を返しにきた。
そのときの様子で、あぁ好きな男ができたなと直感した」
「・・・」
「茶篠。 一体何に怯えているんだ、きみは」
**********
どうもどうも、またしばらく空けてしまいましたザクロです。
本日の冒頭貼り付けは【ミスティックトパーズの黄昏】からのワンシーン。
個人経営のカフェオーナー兼北欧家具屋の茶篠(さしの)と明成さんがお話しているところです。
ふふふ、茶篠、もともと苦手な明成さんにわけわからないことを言われてさらに困惑させられてますねーw
はい、本日はですね、二つばかし報告があります。
報告と言っても近況というか、転職のその後どんな感じって内容と、
あともう一つは・・・二日ほど前に自分の中ではそこそこ大きな出来事?wがあったので、そのことと。
まずは転職後のお話と言いますか、近況?
これがね・・・あくまで入社後約二週間の現時点での話にはなるんですが、めっちゃくちゃ居心地がいいです・・・!
すっごく静かな職場なんですよ。
前職の終盤、去年の春すぎくらいから深刻な不眠がずっと続いていて、地味に日々苦しんでいたんですが、
辞めると決めてから少しずつ改善傾向にはあったんですよ。
有休消化中から今の職場で働き始める前も、夜中数回は薄く目が覚めるけどまだ眠れるようになっていて、
今はというと、夜眠りに就いたら目覚ましが鳴るまで起きないという理想的な睡眠を得られるように!!!!
頭や精神、身体が疲れてるとかじゃないんです。
むしろ、初日からずっと元気なんです、私。
緊張でハイになっているとかではなくて、心にも余裕があってすごく穏やかなんです。
新しい職場なので、たしかにまだ少し緊張することはあるんですが、でも疲れるような感じではなくて、
16時に仕事が終わったら16時15分にはもう家についてオフモードに切り替わっているんです。
時間に関しては、前職も16時までの時短にしてもらっていたので、以前も16時半過ぎには家にいたんですが、
なんかもう帰ってきたあとの気持ちが全然違うというか、
以前が何かと気忙しくて常に焦っていたような感じだったことに対して、落ち着いてて穏やかなんです。
むしろ、無意味にウキウキしてるくらい。 さぁて、夕飯の準備するぞぉ〜♪みたいなw
本当にもう初日の帰宅後からそんな感じだったので、
一体何が違うのかってことをですね、一週間たったくらいのときにじっくりと考えてみたんですが、
前職って、大袈裟じゃなく一日中電話がずっと鳴りっぱなしの会社だったんですよね。
それも1本ではなく、複数回線が同時に鳴ってて、事務所内では営業さんも各自電話してるし、
とにかくすごくうるさいのが普通だったというか日常だったというか・・・うん。汗
それに対して今の職場は、事務所の電話なんて1日1本鳴るか鳴らないかで、
あとは社長のスマホくらいなのでとっても静かなんですよ。
で、普段事務所内にいるメンバーの中では私がぶっちぎりで一番若いというのもあって、
ご年配たち、無駄なお喋りも一切しないので、事務所内の静寂が常に保たれているというか。
私、基本的にうるさい環境が苦手で無理なタイプなので、
前職のときも最初に配属された一階部署のアナログさと騒がしさ諸々に耐え切れず、
胃腸炎(と腱鞘炎w)起こして、二階の営業事務所に移してもらってまだマシになりましたが、
今と比較すると、あれでもまだ地獄級にうるさかったですね・・・。汗
そういうのもあって、きっと常時アドレナリンが出まくって脳が異常な興奮状態だったんだと思うんですよ。
もともと自家中毒のきらいがあったので、きっと帰宅後もなかなかオフモードに切り替えられなくなって、
眠れない日々が続いていたんじゃないかという自己診断をしています。
というわけで、普通に眠れる喜びと幸せを毎朝噛み締めてるわけなんですが、
主人に「ヤクルト1000とかいろいろ試してたけど、そういう問題じゃなかったね」と言われましたw
いや本当にそうでした。苦笑
睡眠の質改善と言われているものを本当に片っ端から試すくらいに追い詰められてたんですよね・・・。汗
歳なのかな・・・ぐっすり眠ることはもう諦めなきゃなんないのかな・・・なんて、本気で思っていたくらい。涙
まさか、またこんな熟睡できる日々に戻れるなんて夢にも思っていなかったです!
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| ■ 雑記
2024年02月23日
■ 休暇中の他愛なき雑談
「それはそうと、明成、おまえは気が付いていたか?
現代の中の あのパンドラの箱・・・。
あれが、本人の強い自己暗示だけで鎖されていたわけではないことに」
「・・・いや」
またもやほんのりと意地の悪い笑みを浮かべて問われ、明成はうんざりしながら首を横に振った。
「というか、そもそもわからない単語が多すぎる。
地下組織のグループに、オークションに、プレートに、それから指輪だと?
はあ・・・、その組織についてはあとで調べる、何か呼び名はあるのか」
「神門。 神の門と書いて、ミカドだ」
「それで、現代の記憶封鎖は彼の自己暗示だけではないと? だったら他に何が起因した?」
「偶発的な起因ではない、あの猫が最初からそれを目的として利用したものがある」
「だからそれは何だと訊いているんだ、こんなときにわざわざ勿体付けるのはよせ。
しかもその顔で・・・本気でイライラする」
「普段のおまえのトークを真似ただけだ。 腹が立つだろう。
・・・薬だ。 おまえもよく知っているだろう、かつて私が創り出した、例の赤い薬だ。
あの猫は六年前にそれを自ら接種し、その強い作用を借りてより強固に記憶を封印したらしい。
それが、自身の耐え難い苦しみから逃れるためだったのか、
それともあの男からの指示だったのかは私の知るところではないがな。
まあ やつらの性格的に、その両方だろうとは思うが。
その証拠に、先日おまえに捨てられたと思った現代が、必死に私に求めたものが、あの薬だった。
当時の記憶がなくとも、あれを自らの体内に入れさえすれば、
忘れたいことを全て忘れさせてくれるという事実を、身体が覚えていたのだろうな」
「・・・」
「訊きたいことは以上か?」
「あともう一つ」
「なんだ」
「あなたはどちらが適任だと思う」
「は。 何を言うのかと思えば・・・、心底くだらない。
大体、消えようが存続しようが この世の中に何の影響も及ぼさぬ企業を救う手助けをしたり、
家具を集めたり、料理をしたり、ペットや植物の世話ばかりして、
おまえはいつまで自らの役目から逃げ続けるつもりだ。
潮時くらい、自分で見極められるはずだ」
「あなたの説教など聞くつもりはない。 私の質問に答える気がないのならもう帰る」
「明成、いい加減に腹を括れ」
「嫌だ」
明成がこれ以上ないほどはっきりと拒否の言葉を口にすると、
文明は心底呆れた顔で重い溜め息をついた。
「はあっ。 以前に比べ、少しは態度が軟化してきたかと思えば・・・、おまえはガキか。 まったく・・・。
・・・適任かそうでないかという意味ならば、間違いなく やつだ。
やつは花の本当の望みを知っているというだけでなく、それを完璧に叶えることができる。
だが残念なことに、おまえにはそれができない。
なぜならそれはおまえが絶対にやりたくないことだからだ。
こんなことはいちいち私に言わせずとも、おまえ自身が一番よくわかっているはずだ」
「自分のことならばわかるが、
私の中で相手の正体がまだはっきりと掴めていないから確認してみただけだ。
・・・あなたがそう言うのならそうなんだろう。 訊きたいこと以上だ、帰る。 邪魔をした」
「待て、明成」
**********
有休も終わってしまったというのにおでかけやリカ活ばかりしていて全然執筆ができていないザクロです。
さてさて みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。笑
本日の冒頭は【予め手放された財産】の中盤あたりから・・・でしょうかね、近衛兄弟の会話シーンです。
この二人の絡みが好きなのできっと既出なんじゃないかと思います。
だけど、この作品から数作・・・えぇっと具体的な作品名で書くと
【シリウスの復讐】【龍の瞳(後日談含む)】【トラブルメーカー】【深海の王】の四作(+後日談)ですか、
この兄弟が一緒にいるときの雰囲気もなんとなく少し変わってきましたよね。
というか明成さんが大人になってきて?w、それで文明も少し肩の荷が下りた感じかな!?笑
いや、自分で書きながら絶対に違うな思いました。
作品というか物語の中とリアルで月日が流れて、登場人物と作者がともにいろいろ経験して、
徐々にいい感じになってきたんじゃないかな、わかんないけど、多分きっとそう。
この【予め手放された財産】は結構な冒険作だったんですがね。
失敗だったかなあ・・・なんて思ったこともあったんですが、これ以降のお話は基本この作品ありきですし、
これで初登場の志信もなかなか個性的でいい味出してくれてるのでね、書いて良かったはず。ウン。
今日はですね、午前中から料理をしてたんですよ。
久しぶりに南蛮漬けを作ろうと思い立ちまして、あと、サツマイモとカボチャを一緒に蒸したりして。
主人のお弁当のおかずに、ちょこちょこっと作り置きの惣菜を作ってました。
最近は鍋とか具沢山の豚汁とかシチューとかそういう系ばかりリクエストされていたので、
あまりまともなおかずらしいものを作っていなかったんですよね。
大好きな焼き菓子が順番ついて待ってるので、夕飯を心持ち控えめにしてる関係もあって・・・。苦笑
いやあ、サブレオショコラが美味しくて!
現代:たしかに俺もあれは好きだ。
あっ、クールな容姿に反して甘党な現代さんじゃないですか!
先日はお誕生日おめでとうございました。
ええっと、おいくつになられたんでしたっけ。笑
現代:あんたが俺の歳を二十九で設定してからまともに歳を重ねていたら・・・四十五くらいか。
御影:わぉ、それだともう明成さんより年上じゃないの。笑
てことは、それで計算すると僕はきみの二つ上だから、四十七になるね。
それだと文明と同じになるね。
今のところ大昔から生きてるシリーズのひとたちを除くと無明ヶ丘では最年長の年齢だよ。
明成:ちなみに、同じように登場から現実の月日で考えると、私ももう四十九か。
ろ・・・六年も経ちましたか、もう・・・。
明成さんの登場作のことはすごくよく覚えているんですよ。
当時、鍋屋から親会社が台湾の会社に転職したばかりだったんですが、
結婚後なかなか創作意欲が戻らなかったのに、そこで仕事を始めた瞬間に突然無性に書きたくなって、
それがシナモンパイライト≠セったんですよねえ。
しかも、最初から無明ヶ丘で活躍してもらう予定だったのに登場は宝石(鉱物)シリーズで。
それまで全然書けていなかったのにすでに長期計画で、明成さん出てきてからの勢いすごかったですしね。
このブログもその頃に作ったはず。
ただ・・・あなたたちキャラとしての年齢はねえ。
いやもしかすると、いつかみんなの年齢十ずつくらい一気にあげるときがくるかもしれないけど、
もうしばらくは設定のままいてください。汗
物語的におかしくなっちゃうので。
まあ、もうすでになんか、サ●エさん?みたいに、歳取らずに季節だけが何度も巡って、
そのたびに新たな出来事が起こるという、不可解なことになってしまってますがそこはもう仕方がない。
あれは創作で、しかもBでLなファンタジーなので!・・・と、言えば全てが許される魔法の言葉w
⇒ ゆるーい続きはこちら
現代の中の あのパンドラの箱・・・。
あれが、本人の強い自己暗示だけで鎖されていたわけではないことに」
「・・・いや」
またもやほんのりと意地の悪い笑みを浮かべて問われ、明成はうんざりしながら首を横に振った。
「というか、そもそもわからない単語が多すぎる。
地下組織のグループに、オークションに、プレートに、それから指輪だと?
はあ・・・、その組織についてはあとで調べる、何か呼び名はあるのか」
「神門。 神の門と書いて、ミカドだ」
「それで、現代の記憶封鎖は彼の自己暗示だけではないと? だったら他に何が起因した?」
「偶発的な起因ではない、あの猫が最初からそれを目的として利用したものがある」
「だからそれは何だと訊いているんだ、こんなときにわざわざ勿体付けるのはよせ。
しかもその顔で・・・本気でイライラする」
「普段のおまえのトークを真似ただけだ。 腹が立つだろう。
・・・薬だ。 おまえもよく知っているだろう、かつて私が創り出した、例の赤い薬だ。
あの猫は六年前にそれを自ら接種し、その強い作用を借りてより強固に記憶を封印したらしい。
それが、自身の耐え難い苦しみから逃れるためだったのか、
それともあの男からの指示だったのかは私の知るところではないがな。
まあ やつらの性格的に、その両方だろうとは思うが。
その証拠に、先日おまえに捨てられたと思った現代が、必死に私に求めたものが、あの薬だった。
当時の記憶がなくとも、あれを自らの体内に入れさえすれば、
忘れたいことを全て忘れさせてくれるという事実を、身体が覚えていたのだろうな」
「・・・」
「訊きたいことは以上か?」
「あともう一つ」
「なんだ」
「あなたはどちらが適任だと思う」
「は。 何を言うのかと思えば・・・、心底くだらない。
大体、消えようが存続しようが この世の中に何の影響も及ぼさぬ企業を救う手助けをしたり、
家具を集めたり、料理をしたり、ペットや植物の世話ばかりして、
おまえはいつまで自らの役目から逃げ続けるつもりだ。
潮時くらい、自分で見極められるはずだ」
「あなたの説教など聞くつもりはない。 私の質問に答える気がないのならもう帰る」
「明成、いい加減に腹を括れ」
「嫌だ」
明成がこれ以上ないほどはっきりと拒否の言葉を口にすると、
文明は心底呆れた顔で重い溜め息をついた。
「はあっ。 以前に比べ、少しは態度が軟化してきたかと思えば・・・、おまえはガキか。 まったく・・・。
・・・適任かそうでないかという意味ならば、間違いなく やつだ。
やつは花の本当の望みを知っているというだけでなく、それを完璧に叶えることができる。
だが残念なことに、おまえにはそれができない。
なぜならそれはおまえが絶対にやりたくないことだからだ。
こんなことはいちいち私に言わせずとも、おまえ自身が一番よくわかっているはずだ」
「自分のことならばわかるが、
私の中で相手の正体がまだはっきりと掴めていないから確認してみただけだ。
・・・あなたがそう言うのならそうなんだろう。 訊きたいこと以上だ、帰る。 邪魔をした」
「待て、明成」
**********
有休も終わってしまったというのにおでかけやリカ活ばかりしていて全然執筆ができていないザクロです。
さてさて みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。笑
本日の冒頭は【予め手放された財産】の中盤あたりから・・・でしょうかね、近衛兄弟の会話シーンです。
この二人の絡みが好きなのできっと既出なんじゃないかと思います。
だけど、この作品から数作・・・えぇっと具体的な作品名で書くと
【シリウスの復讐】【龍の瞳(後日談含む)】【トラブルメーカー】【深海の王】の四作(+後日談)ですか、
この兄弟が一緒にいるときの雰囲気もなんとなく少し変わってきましたよね。
というか明成さんが大人になってきて?w、それで文明も少し肩の荷が下りた感じかな!?笑
いや、自分で書きながら絶対に違うな思いました。
作品というか物語の中とリアルで月日が流れて、登場人物と作者がともにいろいろ経験して、
徐々にいい感じになってきたんじゃないかな、わかんないけど、多分きっとそう。
この【予め手放された財産】は結構な冒険作だったんですがね。
失敗だったかなあ・・・なんて思ったこともあったんですが、これ以降のお話は基本この作品ありきですし、
これで初登場の志信もなかなか個性的でいい味出してくれてるのでね、書いて良かったはず。ウン。
今日はですね、午前中から料理をしてたんですよ。
久しぶりに南蛮漬けを作ろうと思い立ちまして、あと、サツマイモとカボチャを一緒に蒸したりして。
主人のお弁当のおかずに、ちょこちょこっと作り置きの惣菜を作ってました。
最近は鍋とか具沢山の豚汁とかシチューとかそういう系ばかりリクエストされていたので、
あまりまともなおかずらしいものを作っていなかったんですよね。
大好きな焼き菓子が順番ついて待ってるので、夕飯を心持ち控えめにしてる関係もあって・・・。苦笑
いやあ、サブレオショコラが美味しくて!
現代:たしかに俺もあれは好きだ。
あっ、クールな容姿に反して甘党な現代さんじゃないですか!
先日はお誕生日おめでとうございました。
ええっと、おいくつになられたんでしたっけ。笑
現代:あんたが俺の歳を二十九で設定してからまともに歳を重ねていたら・・・四十五くらいか。
御影:わぉ、それだともう明成さんより年上じゃないの。笑
てことは、それで計算すると僕はきみの二つ上だから、四十七になるね。
それだと文明と同じになるね。
今のところ大昔から生きてるシリーズのひとたちを除くと無明ヶ丘では最年長の年齢だよ。
明成:ちなみに、同じように登場から現実の月日で考えると、私ももう四十九か。
ろ・・・六年も経ちましたか、もう・・・。
明成さんの登場作のことはすごくよく覚えているんですよ。
当時、鍋屋から親会社が台湾の会社に転職したばかりだったんですが、
結婚後なかなか創作意欲が戻らなかったのに、そこで仕事を始めた瞬間に突然無性に書きたくなって、
それがシナモンパイライト≠セったんですよねえ。
しかも、最初から無明ヶ丘で活躍してもらう予定だったのに登場は宝石(鉱物)シリーズで。
それまで全然書けていなかったのにすでに長期計画で、明成さん出てきてからの勢いすごかったですしね。
このブログもその頃に作ったはず。
ただ・・・あなたたちキャラとしての年齢はねえ。
いやもしかすると、いつかみんなの年齢十ずつくらい一気にあげるときがくるかもしれないけど、
もうしばらくは設定のままいてください。汗
物語的におかしくなっちゃうので。
まあ、もうすでになんか、サ●エさん?みたいに、歳取らずに季節だけが何度も巡って、
そのたびに新たな出来事が起こるという、不可解なことになってしまってますがそこはもう仕方がない。
あれは創作で、しかもBでLなファンタジーなので!・・・と、言えば全てが許される魔法の言葉w
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| ■ 雑記
2024年02月07日
■ 素晴らしき開放感♪
「さあ、今日は僕の奢りです。 どんどん食べてジャンジャン飲んでくださいね!」
両手に花というのは本当に気分がいい。
どちらもかなり個性的な花だが、しかしとても美しいということには変わりがない。
一史はご機嫌な調子で、両隣を交互に見ながらにっこりと笑って言った。
しかし。
「嫌だ、奢りなんてお断りだよ」
「私も結構」
・・・。
「せっかくセッティングしたのに、二人してそういう可愛くないことを言うんですか・・・」
少し声のトーンを落として言うと、両側からの視線が突き刺さった。
「あれ? そこは、お二人ともビクッとしてくれるところなのでは?」
「「十五年早い」」
二人同時に す、と正面を向いて同じ言葉を発する。
初対面だというのにこのシンクロ具合、たしかに相棒だったという玲良の話は真実のようだ。
「・・・ちぇ。 とりあえず紹介しますね、こちら株式会社フローシストの代表、廿楽瑞貴さん」
「どうも」
紹介された側の瑞貴が、一史越しに玲良を見て素っ気なく会釈する。
警戒しているが、唯美主義を声高らかに自称する瑞貴が、
この類まれな美貌を持つ玲良に興味を持たないはずはない。
その証拠に、瑞貴の玲良に対する興味はすでに全身から だだ漏れだ。
「で、こちらは爆破予告犯改め、高校の音楽教員をしていらっしゃる、眞塩玲良さんです」
「先日は騒がせて悪かった」
今度は玲良が淡々と詫びの言葉を口にする。
「大体の話は先に彼から聞いたよ。 僕を助けてくれるつもりだったんだろ?」
「・・・そうだが、時間がなくてあのような方法になったことについては本当に申し訳なかった」
「気にしなくていいよ、大事なデータが盗まれるよりはマシだったからね。
そんなことよりも、問題は、こんなに美人との最初の出会いがおでん屋だってことだ」
**********
どうもどうもまたもや半月以上空いてしまいましたザクロです。
先日、無事に最終出勤日を乗り切りまして、現在有休消化中でとってもご機嫌です!
なんていうか、あんなに不眠が続いていたのが嘘のようによく眠れるようになったんですよね。
口でいろいろ言ってますが身体というか神経?は繊細らしく・・・やはり原因はストレスだったようです。
年末、もう辞めよう!と決心してから徐々に睡眠の質が改善傾向にはあったんですが、
辞めてからはもっとしっかり眠れるようになりました、とてもとても嬉しいです。
あ、それはそうと冒頭の切り抜きは【黒曜石の瞳】の最後、一史と瑞貴と玲良のおでん屋シーン。
既出だと思うんですが、次作をこの中の人物にスポットを当てるつもりなので、読み返しついでに。
そうなんですよ、先月の末ごろにはもうすでに次作の方向性が固まっていたんです!
久しぶりの無明ヶ丘でいきますよ〜!
とはいえ、まだ頭の中でゆる〜〜〜く構想練っている段階なので、
今月中に形にすることを目標に頑張ろうと意気込んでいます。
こちら側の人物なので、最近ずっと主線になってたストーリーとはまた違う角度からになると思います。
今からワクワクが止まりません!
さてさて、前回からまたいろいろな出来事がありましてね。
友人との京都日帰りデートや、プチ送別会や、主人との大阪・兵庫のパン&スイーツ巡りなどなど。
つい今さっきも例の女ボスと過去写真で盛り上がりました。
あ、盛り上がったといっても、ライン上の話ですが。
⇒ ゆるーい続きはこちら
両手に花というのは本当に気分がいい。
どちらもかなり個性的な花だが、しかしとても美しいということには変わりがない。
一史はご機嫌な調子で、両隣を交互に見ながらにっこりと笑って言った。
しかし。
「嫌だ、奢りなんてお断りだよ」
「私も結構」
・・・。
「せっかくセッティングしたのに、二人してそういう可愛くないことを言うんですか・・・」
少し声のトーンを落として言うと、両側からの視線が突き刺さった。
「あれ? そこは、お二人ともビクッとしてくれるところなのでは?」
「「十五年早い」」
二人同時に す、と正面を向いて同じ言葉を発する。
初対面だというのにこのシンクロ具合、たしかに相棒だったという玲良の話は真実のようだ。
「・・・ちぇ。 とりあえず紹介しますね、こちら株式会社フローシストの代表、廿楽瑞貴さん」
「どうも」
紹介された側の瑞貴が、一史越しに玲良を見て素っ気なく会釈する。
警戒しているが、唯美主義を声高らかに自称する瑞貴が、
この類まれな美貌を持つ玲良に興味を持たないはずはない。
その証拠に、瑞貴の玲良に対する興味はすでに全身から だだ漏れだ。
「で、こちらは爆破予告犯改め、高校の音楽教員をしていらっしゃる、眞塩玲良さんです」
「先日は騒がせて悪かった」
今度は玲良が淡々と詫びの言葉を口にする。
「大体の話は先に彼から聞いたよ。 僕を助けてくれるつもりだったんだろ?」
「・・・そうだが、時間がなくてあのような方法になったことについては本当に申し訳なかった」
「気にしなくていいよ、大事なデータが盗まれるよりはマシだったからね。
そんなことよりも、問題は、こんなに美人との最初の出会いがおでん屋だってことだ」
**********
どうもどうもまたもや半月以上空いてしまいましたザクロです。
先日、無事に最終出勤日を乗り切りまして、現在有休消化中でとってもご機嫌です!
なんていうか、あんなに不眠が続いていたのが嘘のようによく眠れるようになったんですよね。
口でいろいろ言ってますが身体というか神経?は繊細らしく・・・やはり原因はストレスだったようです。
年末、もう辞めよう!と決心してから徐々に睡眠の質が改善傾向にはあったんですが、
辞めてからはもっとしっかり眠れるようになりました、とてもとても嬉しいです。
あ、それはそうと冒頭の切り抜きは【黒曜石の瞳】の最後、一史と瑞貴と玲良のおでん屋シーン。
既出だと思うんですが、次作をこの中の人物にスポットを当てるつもりなので、読み返しついでに。
そうなんですよ、先月の末ごろにはもうすでに次作の方向性が固まっていたんです!
久しぶりの無明ヶ丘でいきますよ〜!
とはいえ、まだ頭の中でゆる〜〜〜く構想練っている段階なので、
今月中に形にすることを目標に頑張ろうと意気込んでいます。
こちら側の人物なので、最近ずっと主線になってたストーリーとはまた違う角度からになると思います。
今からワクワクが止まりません!
さてさて、前回からまたいろいろな出来事がありましてね。
友人との京都日帰りデートや、プチ送別会や、主人との大阪・兵庫のパン&スイーツ巡りなどなど。
つい今さっきも例の女ボスと過去写真で盛り上がりました。
あ、盛り上がったといっても、ライン上の話ですが。
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| ■ 雑記
2024年01月16日
■ 小さな小さな復讐劇w
「この店の前を通るたびにこのことばかり考えてしまって、辛くなるんだよっ。
もしかしたら、あの部屋に行けば何か解決法がわかるかもしれないって思ったけど、
でもあんた、あの部屋はもう使うなって言ったし・・・」
「ああ、約束させておいて正解だったと今改めて実感していたところだ」
「・・・そ、そういうわけだから、最後にあんたの料理が食えてよかったよ。
まだスタッフたちにもこの話はしてないけど、多分向こう半年以内には別の町に移転するから」
「本当に短絡思考だな、きみは。
はっきり言わせてもらうが、別の町に店を移転させたからといってその問題は解決しないぞ」
「わかってるよ、そんなこと・・・わかってるけど、でも、こうするしかないだろっ。
あんたの存在を忘れないと、俺、一生このままだ・・・。
いくら自業自得でもこんな代償は・・・さすがにきつい、きつすぎる」
「ふむ・・・私はさっきからきみに愛の告白をされているようにしか感じないのだが、気のせいか?」
・・・うん?
「はっ!? 違うよ! なんで俺があんたに告白しなきゃなんないんだよ!!
恨み言だろ、どっちかって言うと!」
「だが残念ながら私は恋人の募集はしていない」
「え・・・」
恋人になりたいなどとは一言も言っていないし、思ってもいなかったはずなのに、
なぜか心にグサッときている自分がもうよくわからない。
「だから、俺はそんなこと一言も・・」
「しかし犬のポストにはまだ空きがある」
−−−−−
こんにちは、ザクロです。
さてさて本日はですね、昔懐かしのシリーズ #stayHOMO から【喧嘩売りの駄犬】の後半の一部です。
私も今ひっさしぶりに部分的に読み返しましたが・・・いいですねえ、この跳ねっかえり主人公。
もともとこういうカップリングが年齢差的にも性格的にも好みなのですムフフ。
はい、というわけで、本日はまず何から報告しようかしら。
そういえば「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい?」って台詞、洋画でよくありますよねw
私だったら後味良くするために、先に悪いニュースを知りたいと思うので、じゃあ悲報からw
えっとですね、毒舌な部長の後釜というか後任の彼、もうすでに悪堕ちしましたwww
現代:後釜という言葉を使った時点で予測はついていたが。
いやいや、早すぎでしょ、即堕ちの悪堕ちかよwって感じでビックリしましたよ。
ちょっとでも期待した自分の見る目の無さにがっくりです。
御影:やっぱり過去の前例のあの人とは違ったんだ?w
うん、立派な志を持ってやってきて頑張ってくれるんだろうなと思ってたんだけど、
半月もしないうちに無能色に染まりはじめてて、ある意味自分を守るための手段としてキャラ変したのか、
それとももともとそういう本性を隠してただけなのか。
ほら、遠方でやってたってことは、向こうもこっちの実態がわからなかっただろうけど、
同時にこちらとしても向こうの実態はわからないわけですしね。
いろいろ改善していくからなんでも自分に言ってくれみたいなこと言ってたから、
例の事務所の引越し作業の今後の予定とか進捗について、
本人が言ってたレポートラインから何の発信もないけど、どうなってんの?って普通に訊いたら、
なんか半ギレみたいな感じで返されて、「は?」と思ってはいたんですよ。
ただまあ、もう辞める人間相手だからそうなったのかなとも思ったのでそこはあえて流したんですが、
(それはそれで態度変えるのも 人として、中間管理職としておかしいですがねw)
別件で同僚と話してたときの態度もあからさまにおかしくて、質問には答えてないし、高圧的だし・・・
ああ、これは闇堕ちというか悪堕ちしたんだな、と悟りましたよね。はっやwww
心折れるにしても、無能側に寝返るにしても、もう少し骨があるかと思いきや一瞬てww 秒やんwww
同僚も「え・・・。なんでも言ってくれって言いましたよね??」って顔になってて、
その後、彼はもう終わったねって話してたんですけども。笑
もともとセールスたちもアウェーなのに、私はもういいとして、事務員に対してあの態度は賢くない。
ご機嫌取れとまでは言いませんが、残業をお願いしたりすることも今後出てくるはずなのに、
圧で部下を支配しようとするのは本当にばかだなぁと思いますね。
まあ、厳密には私はあのぼくの部下ではないですが。
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もしかしたら、あの部屋に行けば何か解決法がわかるかもしれないって思ったけど、
でもあんた、あの部屋はもう使うなって言ったし・・・」
「ああ、約束させておいて正解だったと今改めて実感していたところだ」
「・・・そ、そういうわけだから、最後にあんたの料理が食えてよかったよ。
まだスタッフたちにもこの話はしてないけど、多分向こう半年以内には別の町に移転するから」
「本当に短絡思考だな、きみは。
はっきり言わせてもらうが、別の町に店を移転させたからといってその問題は解決しないぞ」
「わかってるよ、そんなこと・・・わかってるけど、でも、こうするしかないだろっ。
あんたの存在を忘れないと、俺、一生このままだ・・・。
いくら自業自得でもこんな代償は・・・さすがにきつい、きつすぎる」
「ふむ・・・私はさっきからきみに愛の告白をされているようにしか感じないのだが、気のせいか?」
・・・うん?
「はっ!? 違うよ! なんで俺があんたに告白しなきゃなんないんだよ!!
恨み言だろ、どっちかって言うと!」
「だが残念ながら私は恋人の募集はしていない」
「え・・・」
恋人になりたいなどとは一言も言っていないし、思ってもいなかったはずなのに、
なぜか心にグサッときている自分がもうよくわからない。
「だから、俺はそんなこと一言も・・」
「しかし犬のポストにはまだ空きがある」
−−−−−
こんにちは、ザクロです。
さてさて本日はですね、昔懐かしのシリーズ #stayHOMO から【喧嘩売りの駄犬】の後半の一部です。
私も今ひっさしぶりに部分的に読み返しましたが・・・いいですねえ、この跳ねっかえり主人公。
もともとこういうカップリングが年齢差的にも性格的にも好みなのですムフフ。
はい、というわけで、本日はまず何から報告しようかしら。
そういえば「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい?」って台詞、洋画でよくありますよねw
私だったら後味良くするために、先に悪いニュースを知りたいと思うので、じゃあ悲報からw
えっとですね、毒舌な部長の後釜というか後任の彼、もうすでに悪堕ちしましたwww
現代:後釜という言葉を使った時点で予測はついていたが。
いやいや、早すぎでしょ、即堕ちの悪堕ちかよwって感じでビックリしましたよ。
ちょっとでも期待した自分の見る目の無さにがっくりです。
御影:やっぱり過去の前例のあの人とは違ったんだ?w
うん、立派な志を持ってやってきて頑張ってくれるんだろうなと思ってたんだけど、
半月もしないうちに無能色に染まりはじめてて、ある意味自分を守るための手段としてキャラ変したのか、
それとももともとそういう本性を隠してただけなのか。
ほら、遠方でやってたってことは、向こうもこっちの実態がわからなかっただろうけど、
同時にこちらとしても向こうの実態はわからないわけですしね。
いろいろ改善していくからなんでも自分に言ってくれみたいなこと言ってたから、
例の事務所の引越し作業の今後の予定とか進捗について、
本人が言ってたレポートラインから何の発信もないけど、どうなってんの?って普通に訊いたら、
なんか半ギレみたいな感じで返されて、「は?」と思ってはいたんですよ。
ただまあ、もう辞める人間相手だからそうなったのかなとも思ったのでそこはあえて流したんですが、
(それはそれで態度変えるのも 人として、中間管理職としておかしいですがねw)
別件で同僚と話してたときの態度もあからさまにおかしくて、質問には答えてないし、高圧的だし・・・
ああ、これは闇堕ちというか悪堕ちしたんだな、と悟りましたよね。はっやwww
心折れるにしても、無能側に寝返るにしても、もう少し骨があるかと思いきや一瞬てww 秒やんwww
同僚も「え・・・。なんでも言ってくれって言いましたよね??」って顔になってて、
その後、彼はもう終わったねって話してたんですけども。笑
もともとセールスたちもアウェーなのに、私はもういいとして、事務員に対してあの態度は賢くない。
ご機嫌取れとまでは言いませんが、残業をお願いしたりすることも今後出てくるはずなのに、
圧で部下を支配しようとするのは本当にばかだなぁと思いますね。
まあ、厳密には私はあのぼくの部下ではないですが。
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| ■ 雑記
2024年01月10日
■ 闇医者
ナイジェルがほんの一瞬、視線だけで退路を確認した瞬間、ズキッと右腕の古傷が痛んだ。
「暴れないほうがいい」
静かな声とともに腕を軽く捻りあげられて、思わず本気の悲鳴が口から零れてしまった。
「あ゛ッ、つ・・・ぅ」
「待てッ、崇嗣(たかつぐ)! 右腕はやめてやってくれ、彼は・・・ナイジェルは、俺の・・・友人だ」
友人・・・?
はっきりとそう言われ、心の奥底では密かに恋人以下のつもりでいただけにかなり傷付いてしまう。
たしかに口説くたびに呆れられ、振られていたのは事実かもしれないが、
それでも会えば必ずといっていいほどやることはやっていた。
本当は抱かせて欲しかったが、断固として首を縦に振ってもらえず、
結局いつもナイジェルが女役をする羽目になってはいたが、
それでも身体の関係だってあったのに、友人・・・??
「その友人とやらに胸倉を掴まれていたように見えたが、ひょっとして旧式の挨拶だったか?」
「いや、俺が悪いんだ。 とにかく右腕はだめだ、離してやってくれ」
フィネルが言うと、両手を拘束していた男はすんなりナイジェルを解放した。
しかし。
「じゃ、せめてこれだけは付けさせてくれ」
すかさず出てきたもう一人の男に、今度は手錠をかけられてしまう。
しかも、手錠はナイジェルの両手ではなく、その男の右手とナイジェルの左手にかけられた。
つまりルーマニアからあとをつけてきた男と物理的に繋がれてしまった形だ。
「は? 何すんだよ!? ふざけんなよ、このガキ・・・ッ」
「いや、どうみてもおまえさんのほうがまだ三十そこそこのガキだろう」
「・・・ッ。 そうやって人を見た目でしか判断できないところがガキだっていうんだよっ」
俺はおまえより二百年以上生きている!と言ってやりたいのをぐっと堪えて睨みつける。
「ふうん? せっかく返してやろうと思って捨てずにわざわざ持ってきてやったのに、
おまえがそういう可愛くない態度なら、コレ、捨てちまおうかなあ?」
そう言って男が「ほれ」と見せてきたのは、先日フィネルの家で取られた革グローブだった。
「その右手。 ハンカチ結んでるところをみると、グローブの予備は持ってないんだろ?
随分年季入ってるもんな、コレ」
「返せっ、この野郎!」
−−−−−
あけまして云々の前に、とりあえず真っ先にご報告をせねばなりませんね。
私は、無事です。
いや・・・人生で初めてでしたよ、本気で死ぬかもしれないと思ったのは。
そうです、元旦の大震災です。
こちらのブログの常連の方はもう薄々ご存知だったかと思いますが、実は私、被災県の民なんです。
とはいえ、震源地からは少し離れてはいるのですが、それでも当日は本当にすごい揺れでした。
主人は元旦も仕事でしたので、当時は家に一人でいたのですが、
一つ前の揺れのときすでに恐怖を感じていたので、すぐに主人にこわいよーとLINEしてたんですが、
その5分後でしたね・・・あまりにも激しい揺れが長く続き、
飾り棚や食器棚から飛び出したものがガッシャンガッシャン割れまくるという絶望的恐怖。
本当に恐ろしすぎて、ダイニングテーブルの下に潜り込み、
ブルブル震えながら揺れが少しおさまるのを待って、軽くパニック状態でスマホと財布だけ握りしめ車へ。
そして近所のスーパーの駐車場の広いところで主人が帰宅するまでの二時間半ほど過ごしました。
主人や両親とはすぐに連絡がついて、無事であることはわかっていたんですが、
車に乗っていてもずっとグラグラ揺れているし、本当に、冗談抜きで半泣きのまま震えてました。
私のいる地域では電波状況にも問題がなかったので、車の中でSNSを開いてみると、
イラストレーターの友人が、長く揺れたと呟いていて、
あんなところまで揺れたんだ!?そりゃあこっちは建物倒壊するかと思うほどの揺れだわ、と改めて思い、
とりあえず「本気で死ぬ覚悟をした」と数分前の気持ちをつぶやいて仲間内に無事を伝えると、
直後にその友人ともうひとり、県外の友人が安堵の返信をくれて、すごく心強かったのを覚えています。
まあ、県外の友人というのはここにも何度か登場している、通信会社時代の営業さんですが。笑
ああいう心細いときにすぐに返信やコメントをくれるとめちゃくちゃ安心するものなんですね・・・。
主人とも連絡は取れていましたが、如何せんお仕事中でしたのでね・・・てか、あんな日にする!?お通夜!
聞いた話では、あの日、元旦にも関わらず主人の職場では二件のお通夜が予定されていたそうですが、
主人とはべつの場所でのお通夜は地震で祭壇が破損して大変だったらしいです。汗
ですよね・・・祭壇なんて繊細ですしね、あの規模の揺れで無傷なほうが奇跡ですよね・・・っていう。
ぷち残業を終えた主人がその駐車場まで迎えにきてくれて、一緒に帰宅したんですが、
出てくるときは、飾り棚やテレビボードの上のものは全て割れてしまったと思っていたんですが、
去年だったか一昨年に主人とひとつずつ作ってきた金魚鉢型のテラリウムが大惨事になっていただけで、
そのほかのヴィンテージの陶器のオブジェなどは奇跡的に無事なものも多く・・・。
もちろん、大切にしていたオブジェや食器もいくつかは割れてしまっていたんですが、
結婚後ずっと使っていた九谷の飯碗とかすごくお気に入りで、
結婚前の茶碗まつりで新婚生活用に二人で大量仕入れしに行った思い出などももたくさんあったんですが・・・
主人が「そんなのまた買えばいい、ザクロが無事なら家が壊れても平気」と何度も真剣に言ってくれたので、
たしかに茶碗が無事でも、この人がいなくなったら私も生きていけないから、そのとおりだな、と。
揺れの方向なのか、お互いの部屋もそれなりに被害が出ていて、
私の部屋はクローゼットの上の棚に置いていた大きな段ボール箱三つが全て飛び出して落下していました。汗
使っていない鞄などが入っているだけだったのでそれはさほど問題はなかったんですが、
今現在もあえてまだ元には戻さず床に置いています。
まだ余震が多くて、集合住宅のせいか、地震速報で出る震度よりも体感的にもう少し強く揺れる気がするので。
そのほかのオブジェやフラワーベースなども倒れたり割れたりしないように床に置いたり片付けました。
なので、今の我が家は新婚当初、引っ越してきたばかりのような極シンプルなインテリアです。苦笑
とにかく、命あってこその、大切な人が生きていてくれてこその人生なので、
これまでの人生で一番怖い思いをした元旦でしたが、無事に生きていられることに深く感謝しました。
でも、本当に私の恐怖なんて大したことなくて、
まだまだ大変な方々が震源地付近にはたくさんいらっしゃるので、
一日でも早く平穏が戻りますよう祈るばかりです・・・。
⇒ ゆるーい続きはこちら
「暴れないほうがいい」
静かな声とともに腕を軽く捻りあげられて、思わず本気の悲鳴が口から零れてしまった。
「あ゛ッ、つ・・・ぅ」
「待てッ、崇嗣(たかつぐ)! 右腕はやめてやってくれ、彼は・・・ナイジェルは、俺の・・・友人だ」
友人・・・?
はっきりとそう言われ、心の奥底では密かに恋人以下のつもりでいただけにかなり傷付いてしまう。
たしかに口説くたびに呆れられ、振られていたのは事実かもしれないが、
それでも会えば必ずといっていいほどやることはやっていた。
本当は抱かせて欲しかったが、断固として首を縦に振ってもらえず、
結局いつもナイジェルが女役をする羽目になってはいたが、
それでも身体の関係だってあったのに、友人・・・??
「その友人とやらに胸倉を掴まれていたように見えたが、ひょっとして旧式の挨拶だったか?」
「いや、俺が悪いんだ。 とにかく右腕はだめだ、離してやってくれ」
フィネルが言うと、両手を拘束していた男はすんなりナイジェルを解放した。
しかし。
「じゃ、せめてこれだけは付けさせてくれ」
すかさず出てきたもう一人の男に、今度は手錠をかけられてしまう。
しかも、手錠はナイジェルの両手ではなく、その男の右手とナイジェルの左手にかけられた。
つまりルーマニアからあとをつけてきた男と物理的に繋がれてしまった形だ。
「は? 何すんだよ!? ふざけんなよ、このガキ・・・ッ」
「いや、どうみてもおまえさんのほうがまだ三十そこそこのガキだろう」
「・・・ッ。 そうやって人を見た目でしか判断できないところがガキだっていうんだよっ」
俺はおまえより二百年以上生きている!と言ってやりたいのをぐっと堪えて睨みつける。
「ふうん? せっかく返してやろうと思って捨てずにわざわざ持ってきてやったのに、
おまえがそういう可愛くない態度なら、コレ、捨てちまおうかなあ?」
そう言って男が「ほれ」と見せてきたのは、先日フィネルの家で取られた革グローブだった。
「その右手。 ハンカチ結んでるところをみると、グローブの予備は持ってないんだろ?
随分年季入ってるもんな、コレ」
「返せっ、この野郎!」
−−−−−
あけまして云々の前に、とりあえず真っ先にご報告をせねばなりませんね。
私は、無事です。
いや・・・人生で初めてでしたよ、本気で死ぬかもしれないと思ったのは。
そうです、元旦の大震災です。
こちらのブログの常連の方はもう薄々ご存知だったかと思いますが、実は私、被災県の民なんです。
とはいえ、震源地からは少し離れてはいるのですが、それでも当日は本当にすごい揺れでした。
主人は元旦も仕事でしたので、当時は家に一人でいたのですが、
一つ前の揺れのときすでに恐怖を感じていたので、すぐに主人にこわいよーとLINEしてたんですが、
その5分後でしたね・・・あまりにも激しい揺れが長く続き、
飾り棚や食器棚から飛び出したものがガッシャンガッシャン割れまくるという絶望的恐怖。
本当に恐ろしすぎて、ダイニングテーブルの下に潜り込み、
ブルブル震えながら揺れが少しおさまるのを待って、軽くパニック状態でスマホと財布だけ握りしめ車へ。
そして近所のスーパーの駐車場の広いところで主人が帰宅するまでの二時間半ほど過ごしました。
主人や両親とはすぐに連絡がついて、無事であることはわかっていたんですが、
車に乗っていてもずっとグラグラ揺れているし、本当に、冗談抜きで半泣きのまま震えてました。
私のいる地域では電波状況にも問題がなかったので、車の中でSNSを開いてみると、
イラストレーターの友人が、長く揺れたと呟いていて、
あんなところまで揺れたんだ!?そりゃあこっちは建物倒壊するかと思うほどの揺れだわ、と改めて思い、
とりあえず「本気で死ぬ覚悟をした」と数分前の気持ちをつぶやいて仲間内に無事を伝えると、
直後にその友人ともうひとり、県外の友人が安堵の返信をくれて、すごく心強かったのを覚えています。
まあ、県外の友人というのはここにも何度か登場している、通信会社時代の営業さんですが。笑
ああいう心細いときにすぐに返信やコメントをくれるとめちゃくちゃ安心するものなんですね・・・。
主人とも連絡は取れていましたが、如何せんお仕事中でしたのでね・・・てか、あんな日にする!?お通夜!
聞いた話では、あの日、元旦にも関わらず主人の職場では二件のお通夜が予定されていたそうですが、
主人とはべつの場所でのお通夜は地震で祭壇が破損して大変だったらしいです。汗
ですよね・・・祭壇なんて繊細ですしね、あの規模の揺れで無傷なほうが奇跡ですよね・・・っていう。
ぷち残業を終えた主人がその駐車場まで迎えにきてくれて、一緒に帰宅したんですが、
出てくるときは、飾り棚やテレビボードの上のものは全て割れてしまったと思っていたんですが、
去年だったか一昨年に主人とひとつずつ作ってきた金魚鉢型のテラリウムが大惨事になっていただけで、
そのほかのヴィンテージの陶器のオブジェなどは奇跡的に無事なものも多く・・・。
もちろん、大切にしていたオブジェや食器もいくつかは割れてしまっていたんですが、
結婚後ずっと使っていた九谷の飯碗とかすごくお気に入りで、
結婚前の茶碗まつりで新婚生活用に二人で大量仕入れしに行った思い出などももたくさんあったんですが・・・
主人が「そんなのまた買えばいい、ザクロが無事なら家が壊れても平気」と何度も真剣に言ってくれたので、
たしかに茶碗が無事でも、この人がいなくなったら私も生きていけないから、そのとおりだな、と。
揺れの方向なのか、お互いの部屋もそれなりに被害が出ていて、
私の部屋はクローゼットの上の棚に置いていた大きな段ボール箱三つが全て飛び出して落下していました。汗
使っていない鞄などが入っているだけだったのでそれはさほど問題はなかったんですが、
今現在もあえてまだ元には戻さず床に置いています。
まだ余震が多くて、集合住宅のせいか、地震速報で出る震度よりも体感的にもう少し強く揺れる気がするので。
そのほかのオブジェやフラワーベースなども倒れたり割れたりしないように床に置いたり片付けました。
なので、今の我が家は新婚当初、引っ越してきたばかりのような極シンプルなインテリアです。苦笑
とにかく、命あってこその、大切な人が生きていてくれてこその人生なので、
これまでの人生で一番怖い思いをした元旦でしたが、無事に生きていられることに深く感謝しました。
でも、本当に私の恐怖なんて大したことなくて、
まだまだ大変な方々が震源地付近にはたくさんいらっしゃるので、
一日でも早く平穏が戻りますよう祈るばかりです・・・。
⇒ ゆるーい続きはこちら
posted by ZAKURO at 00:00| Comment(0)
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